言葉で言ってしまえば、至極簡単に「骨格から整えると肩が下がる」という表現で終わってしまう。この表紙の写真の左側、ヤラセでしょと思うほど肩が下がっている。
割り箸とゴムで作った割り箸鉄砲
人の筋肉や筋膜、骨を簡単に説明するとしたら、家という建造物で表せる。外壁は皮膚、家の骨組みがいわゆる骨格で、中に住む私たちは体内で蠢く微生物や象徴の中の絨毛だろうか。水道や電気などの配管は、血流やリンパ液などの血管や体液循環の部分。
だけれどそれが動くのだから…。
ハウルの動く城とでもいうのだろうか。
動く家や城は、現実にはまだ叶っておらず、あってもキャンピングカー。
そう考えると、地球の重力下で呼吸しジャンプして動き回ることの難しさを感じないだろうか。
子どもの頃作ったこと、あるだろうか。割り箸と輪ゴムで作った鉄砲を。発射するゴムを数えきれないほど引っ掛けて、割り箸で身体の骨組みをつくり、それを輪ゴムで電車の連結のように組み立て流。発射するためのゴムを、飛ばすのではなく伸び縮みさせることで全身がバランスを保って動き回れるとしたら、私たちの身体の精密さと、バランスの妙を感じずにはいられない。
毎日生きている身体の奇跡
それらが実は骨や臓器や筋肉・筋筋膜といった無数の細胞で立体的に組み合わされて、生まれてから20年ほどで成長し、その後いつしか生命維持に舵を切る。
呼吸だけは意識で微かにコントロールできるが、心臓や内臓機能をコントロールできる人間は、私の知る限りほぼいない。
顕在意識でできることなどたかが知れていて、そう考えると途方もないことを日々やってのけているのが、私たちの身体なんだ。
骨格から整えるとまず体感が変化する
重力下で生き続けるなかで、体を形作るものは「食べるもの」と「日々の行い」の二つが大きい。
食べるものは、そのまま自分の口にしているもの。住んでいる場所の空気も含めれば見えないものもあるが、「日々口にしている食材」がわかりやすい。これが添加物や農薬まみれの食材ばかりだとしたら、それらがからだの中で蓄積していくのは想像に難くない。
日々の行いとは、生活のなかでどんな姿勢を続け、運動をしているかということ。運転時間が長ければ、その姿勢で固まる。PCや立ち仕事、料理人や美容師などの職業上で続ける姿勢がそこに当てはまる。
長く続ける姿勢によって、身体は「毎日その姿勢でいたほうが有利」とデフォルトの状態の骨格を日々の姿勢に合わせていく。そうすることで、その作業中は有利だが骨格がその姿勢での重力負荷に耐えられるように筋肉を固め筋膜を癒着させていく。
この過程で骨格は歪み、建造物としては重力と「喧嘩し始める」関係性になる。
骨格が重力と喧嘩する
骨格が重力との関係を変化させていくことで癒着した筋肉や筋膜たちは、本来なら滑らかに動きたい背骨にとっての負荷となる。そうなることで骨格老化がますます進み、少し動いただけで「疲れやすい」「頭痛がする」「腰が痛くなる」などなど多彩な症状を生み出す。
背骨が滑らかに動くために
上の写真のように筋膜の癒着を剥がして、動きやすくなった肩甲骨周りは、余計な負荷が外れ「本来あるべき肩甲骨の位置」に近づいていく。そうすると、今まで無意識に入っていた力みのスイッチがオフになるので、突然左肩と腕だけ「力が抜けて軽い」という体感が生まれる。
骨格ボディメイクのセッションでは、75分のセッションでその連続で起こる。左右の施術をビフォーアフターで体感し、鏡でチェックしながら自分自身の体の変化を感じ取る。
体感と鏡による視る意識とで自分の身体の状態をアジャストしていくことで、さらに変化を感じやすくなる。
セッション後も変化が続く
驚くのは、そのセッションの後にも効果がさらに増すということ。
重力下で生き続ける自分の身体にとって、背骨や骨格のあるべき位置で動けることで「姿勢を正さず楽な場所で動くことだけ」でさらに変化が加速する。
だから、セッション直後の感想もありがたいが、数日間の間に日常生活で「ここが変わった!」とメッセージを下さるお客さまからの感想が、さらに嬉しいのだ。
骨格から変わると腹圧や内圧も変化する
私の変化は、鍛えたヨガ期が長すぎてこれからの伸び代が半端ない。最近はお腹がこれでもかというほど出てきているが、鍛えて引き締めた腹筋時代が長ければ長いほど、ぽっこり出っ張る気がしている。
腹筋という鎧で隠蔽してきた体が解放されると、一度はこのぽっこり期を体験する。
その後、腹圧が(骨格メソッドはインナーの筋肉は鍛えられない。腹圧も鍛えることでは叶わず、骨格構造によって勝手にオンになるものという考え。)オンになるとお腹の出っ張りは引き上がって、中世のヴィーナス像のようなフォルムになる。
さてさて、私たちの身体が骨格から整えることでどのくらいの変化を起こしていくのか、歳をとるのも怖くないくらいの変化が起こると、私自身は確信している。
楽しみで仕方ない☺︎